2019.06.07お知らせ 周辺情報
爬竜(ハーリー)
晴れの日が続き、外に椅子をおいて「ユンタク」する人々の姿が目につく沖縄の本部町は、とてものんびりとした空気と晴天の青空が広がっております。
この時期といえば爬竜(ハーリー)ですが、皆様ご存知でしょうか?
毎年旧暦の5月4日に沖縄県各地の漁港で行われる爬竜船(はりゅうせん)競漕のお祭りです。
伝統に則り旧暦の5月4日に行うが、近年ではハーリーシーズンの日曜日や祝祭日・ゴールデンウィークなどにずらして催し、観光化する地域もあるそうです。
ちなみに観光客に知られる「那覇ハーレー」が良い例で、新暦の5月4日に行われるので、毎年だいたい一ヶ月ほど先立って開催されています。
昔ながらの旧暦行事「ハーリー大会」で有名な地域は漁師町である、南部の糸満市で、「糸満ハーリー」となります。
爬竜船(はりゅうせん)を漕ぎ競い合うことで航海の安全や豊漁を祈願する。「ハーレー」「ハーリー」と地域によって呼び名が違うようです。
基本的には「航海の安全」や「豊漁」を祈願する御願(ウガン)を主旨とした海の神事です。
【 沖縄の古典ハーリー 】
① 御願バーレー … 儀礼的なハーリーで、乗組員は皆沖縄の古典衣装を身にまとい、「ハーリーの歌」を歌って、競漕せずゆったりと漁港を一回りします。
② クンヌカーセー … 「転覆ハーリー」とも言われ、名前の通り参加しているサバニ(船)を全て転覆させた後、乗組員がひっくり返して乗り込みます。御願バーレーと違い、競漕するハーリーです。
③ アガイスープ … 村のチームで別れ、優れた選手を選んで競う競技です。「アガリハーリー」などとも言われます。
この三つの種目が昔ながらの沖縄ハーリーの御願儀礼で、1日に3種目が開催されます。
これを「本バーリー」と言い、昔ながらの儀礼に従うため、サバニは女人禁制、アクセサリーなどの着用不可など、細かな習わしがあるのが特徴です。
一般的なハーリーの乗組員は、サバニで12名前後~22名前後と非常に大人数で、沖縄ハーリーでは選手(漕ぎ手)だけではなく、舵取りや鉦打ちなどいくつかの役割があります。
通常の競漕での役割は、漕ぎ手・舵取りは必須で、サバニによっては鉦打ち専門の乗組員もいます。
特にドラゴンボート(御願バーリー)では歌を歌うなどの要素が加わるので、漕ぎ手・舵取りの他、太鼓や歌うたい、旗振りなどの役割も見受けます。
従来のドラゴンボートては旗振り・太鼓(歌うたいも兼ねて)それぞれ1人いるくらいですが、これが那覇ハーリーになると旗振りだけでも3人と、ひとまわり人数が違います。
沖縄のハーリーの魅力がなんとなく伝わったでしょうか?
とにかく、圧倒的な迫力と空気感は、ほかの地域では味わえない感覚でしょう。
大人数が漕ぐ船が、本気でレースをする様は一度はご覧になってみ流のはいかがでしょうか!