2018.03.31周辺情報
LECEBに込めた思い(建築グループ)
だんだん建物の形が出来上がってきて、嬉しいことに地元の方にも声をかけて頂くことが多くなってきました。
LECEBのデザイン性の高さについて、ありがたい噂になっておりました。
そこで、日々心を込めてLECEBの建物を作ってくださるチームに今回は対談をお願いしました。
Q1、どんな人が作っているの?
沖縄のモダン建築の先駆け、株式会社紀建設の井出真太郎さんと、
東京にあるリゾート家具KAJAの渡邊広美さんです。
Q2、まずはお2人がリゾートの建築に携わるようになったきっかけを教えてください。
(井出)僕は福岡出身なのですが、小さい頃に沖縄に旅行に来て、景色や気候の違いに圧倒されたんです。たぶんそれがきっかけで、琉球大学に進み、「ムーンビーチホテル」の設計に感銘を受けてリゾート建築の虜に。その後、紀建設に入社しました。
(渡邊)元々旅をするのが好きだったという事もありますが、15年以上インドネシアやタイなどの建材・家具のバイヤーを続けていることから、リゾート建築に触れる機会も多かったんです。ヨーロッパの建築家達とオーダーメードのものづくりをする経験から、自分も家具やオブジェなどのデザインをするようになりました。
Q3、沖縄建築の特徴は?
(渡邊)東京から比べると、自然環境は過酷ですよね。沖縄建築ならではの特徴ってあるんですか?
(井出)やはりコンクリートの重厚な構造体ですかね。
強烈な台風やまとわりつくような湿気にも屈しない。
強い太陽の光を浴びた場所と影の部分が作り出す強いコントラストも魅力です。
(渡邊)LECEB瀬底VILLAもコンクリートの面が美しく表現されていますよね。元々沖縄はコンクリートの建物が多かったんですか?
(井出)戦後、米軍が基地内の米軍住宅をコンクリートで作るようになったんです。それで、そこで働く人がシロアリや台風にも強いコンクリートで自宅を作り始めたのがきっかけなんです。
(渡邊)歴史や自然環境が大きく関わって、いまの形になっているんですね。
Q4、LECEB瀬底VILLAで特に力を入れた部分は?
(井出)建物をデザインする時に、枝を水平に広げたガジュマルの木陰をイメージしました。
ガジュマルは強い日差しをさえぎり、さわやかな風が吹き抜ける居心地の良い場所を作り出すんです。この木陰をイメージし、深い庇と風の吹き抜けるアウトドアダイニングを設定しました。このアウトドアダイニングが風洞となり室内へ風を取り込むんです。
(渡邊)図面を拝見した時に、すぐにインテリアの構図が浮かびました。
建物の境を感じない、室外も室内にいるように(その逆も)構図。
要は裸足で建物の中も外もいけちゃう空間。
素材に関しても、朝日を浴びるこの建物の位置を意識しました。
朝日を浴びて室内の湿度が上がる。その湿度を呼吸する無垢材でできた家具で緩和させて、心地よい空気に変える。沖縄の素材を使用した上品なインテリアをセレクトしていく。
(井出)また、福岡出身で、沖縄に住むものとして、地元の良さ、沖縄の良い所を活かせるといいなって思ってるんです。
そういう、地元をリスペクトする気持ちを大事にしたい。
(渡邊)私も同感です。
沖縄の事、まだまだ初心者ですが、地元の方に色んな事教えてもらって、取り入れられるものはなるべく取り入れて行きたいんです。
Q5、どんな方に、どんな風に滞在して欲しいですか?
(渡邊)完全プライベートなので、他の人に邪魔されたくないカップルにもオススメだと思います。海外に行きたいけど、時間が取れない方なんかにも良いと思います。自分たちのライフスタイルに合わせて、自由に使ってもらいたいですね。プール入って、ジャグジーに入って、お昼寝して、たまに散歩。
何もしない時間て、大人になると貴重ですから童心に帰って欲しい。
(井出)なるほど、僕は建築男子目線で、ただ何もしない時間を大切に過ごして欲しいな〜と思っているんです。
太陽の動きにより刻々と移り変わる光の筋。
頬で感じる風の機微、研ぎ澄まされていく耳の感覚。
自分の中にある感度を解放して、楽しんで頂きたいな〜と思っています。
お2人ともありがとうございました。
建物の完成は2018年7月を予定しております。
沖縄を代表する宿泊施設になるように、これからもLECEBの運営準備は進みます。
今回お話を聞いた人
——————————————————————————————————–
PROFILE
株式会社紀建設 (http://www.ki-kensetsu.jp)
建築士:井出真太郎
KAJA(http://www.kaja.co.jp)
プロデューサー、インテリアデザイナー:渡邊広美
場所
——————————————————————————————————–
今回は、沖縄県宜野湾市にある紀建設さんのオフィスでお話をお伺いしました。オフィスの中央には、センダンの木が植えられ、沖縄の気候を生かした心地よい風の通る空間がありました。
図面を見ているだけではわからない、五感で感じられる。
その大切に気付かされたオフィスでした。